アメリカ大統領が広島を訪問したことがないのには、理由があった

国際
平和記念公園

4/11、G7会合で訪日中のジョン・ケリー氏(米国の国務長官)は、アメリカの国務長官として初めて広島平和記念公園を訪問しました。
ケリー国務長官は原爆投下当時の写真など「衝撃的」な展示を目にして国際問題の平和解決の必要性を再確認し、
会見でオバマ大統領の広島訪問について尋ねられると「いつの日か米国大統領もこの場所を訪れることができるようになることを願う」と言及しました。

ちょっと待って、戦後70年の間、米国の大統領は広島を訪問していないの・・・?

どうやら、米国の大統領は、広島を訪問「しなかった」のではなく、「できなかった」というのが実情のようです。

なぜ米国の大統領は、広島を訪問することができない?

広島に原爆が投下されて以来の70年間、米国の大統領が広島の平和記念公園を訪れたことはありません。
大統領以下の訪問も、今回のケリー国務長官が最高位です。

原爆を落とされた側としては、米国の大統領が広島を訪問し、謝罪の一つでもしてくれてもいいのでは、とも感じるのではないでしょうか。

しかしながら、米国の大統領が、今後広島を訪問することはあるとしても、原爆がもたらした被害について謝罪をすることはないでしょう。

なぜなら、米国の人々の大多数は、原爆を「戦争を終わらせ、米国人の生命を救った正当な攻撃である」と考えています。
しかも、世界史上、米国は戦勝国、日本は敗戦国という立ち位置にいますので、戦勝国の大統領が敗戦国までわざわざ出かけて行って「戦争を終わらせた一撃」について
謝罪することがあれば、米国内の反発を呼び、さらにはそれがもとで自ら戦勝国の立場まで揺るがしてしまうことまで予想されます。

つまり、たとえ大統領が個人的には原爆犠牲者に対する謝罪の思いでいっぱいであったとしても、米国のトップという立場上、謝罪することはできないのです。

ケリー国務長官は、オバマ大統領が訪日する際に広島を訪問することについて「可能性はある」と言及しています。
日本やアメリカをはじめとした先進国は、核兵器のない世界を見据えて協調していますし、オバマ大統領が広島を訪問する際には核兵器廃絶に向けた演説をするかもしれません。
ただ、オバマ大統領が広島を訪れること自体に対する米国内の反発も予想されますので、今のところは様子見といったところでしょう。

近いうち、米国大統領が、政治的な問題に関係なく広島を訪れる日がくることを、ケリー国務長官とともに願います。

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