[Q&A]2016年参議院選挙で自民党が勝てば憲法改正されてしまうって本当ですか?

選挙
投票箱と選挙人

 「自民党は憲法を改正したがっている」
・・・こんな話を聞いたことがありますか?
2016年7月の参院選の結果次第で、この話が現実味を帯びてくるかもしれませんよ!

この記事のまとめ

・自民党が勝っても(議席数の3分の2を獲得しても)すぐに憲法改正できるわけではないが、改正のチャンスが増える。
・自民党の発表している憲法改正の草案には、国民の権利を不当に制限しうる部分がある。
・憲法改正を困難にしたいなら自民、公明、おおさか維新以外の政党に投票すること。
(読了まで5分)

憲法を改正するにはどんな手順を踏むの?

 第1ステップとして、衆議院と参議院の両方で3分の2の議員の賛成を得る必要があります。
現在の衆議院では与党が3分の2を占めており、
7月の参議院選挙で改憲勢力(自民、公明、おおさか維新等)が3分の2を占めた場合、
国会においての憲法改正への第1ステップはひとまず突破することになります。
この段階まで到達すれば、憲法改正の国民投票は簡単に実施することができます。

第2ステップが、国民投票での過半数の賛成獲得です。
これは一見かなり厳しい条件に思えますが、国民投票法によると、実は賛成票が投票総数の過半数を上回れば国民の賛同があったものとされます。
投票しなかった場合に反対票とみなされるわけではないのです。
つまり、反対したければ投票所に行って反対票を入れるしかないということです。

そうなると、それぞれの改正案の書き方によっては意外とすんなり国民投票を通ることもありえます。

参院選フロー1

そもそも憲法を変えないほうがいいのか

 憲法は、国家の働きを直接に拘束するという意味で、国会の制定した法や内閣の政令に優先する、いわば最高かつ最強の法律です。
また、国民のための、国家権力からの圧力に対する盾としての法律でもあります。

自民党は、その憲法を改正するために設立された政党で、憲法改正を党の最終目標としています。
自民党のHP(→自民党憲法改正草案)には憲法改正案が掲載されていて、どの条文をどのように改正したいのかは既に発表されています。

その発表を受けて改正案の特徴と問題点をわかりやすく解説したサイト
(→自民党憲法草案の条文解説
も、存在しています。

時代に即した改善はもちろん必要ですし、改憲すること自体は悪ではありません。
ただ、国民の権利を侵害する可能性を秘めた改正案には、国民自らが投票によって必ず「NO」を突きつけなければなりません。

「自民党は憲法のどの部分を改正しようとしているの?」

 自民党は、ほぼ全ての条文を改正しようとしています。
もしもその改正案が、国民の人権をさらに広げ、国家の権能をより厳しく縛るものだったならば理想的な改憲ですし、国民は誰一人反対しないでしょう。
ただ、自民党の改正案はどうやら理想的な改憲とは真逆で、国民の権利を制限して義務を増やし、国家の権能をより強くする方向に誘導しようとしています。

大きな問題点を挙げると、
条文によっては国民の表現の自由が不当に制限されたり(21条)、
国家の緊急事態に内閣の権限が肥大して歯止めがきかなくなったりする危険がある(新98・99条)ことです。
詳しい内容はリンク先のサイトに書かれていますので、詳しく知りたい方はご覧ください。(→自民党憲法草案の条文解説
 

憲法改正を困難にするには

 単純です。
7月の参議院選挙で改憲勢力(自民、公明、おおさか維新等)に議席数の3分の2を取らせなければいいのです。

特に支持する政党がなければ、民進党あたりにでも入れておきましょう。
たとえ参議院で改憲勢力が3分の2を取れなくても、どのみち与党(自民党と公明党)が過半数は確保するので、国会運営に支障は生じません。

「自由」を守るために

 憲法改正の議論は、選挙前である今は、なかなかメディアで大きく取り上げられていませんが、参院選の結果次第では、憲法改正に向けて強くアクセルが踏まれることになります。

重ねますが、あなたが参院選でどの政党に投票してもしなくても、どのみち与党は過半数を獲得します。
ただ、与党が過半数を確保して国会運営がスムーズに進むことと、改憲勢力が3分の2を獲得して改憲手続きがスムーズに進むことは、話の次元が違います。

憲法改正の必要性について国民の理解が得られていない今、改憲勢力に参議院の議席数の3分の2を獲得させるのは危険です。

参院選の結果の帰結

以上のことから、
Q. 参議院選挙で自民党が勝てば憲法が改正されてしまうって本当ですか?

A. 自民党が参院選で勝っても、すぐに憲法が改正されるわけではないが、何かしらの条文が改正される可能性は高まる
と言えます。

 

改憲勢力に投票する=?

 私たちが持つ人権は、それ自体が国家によって侵害されるまでは、私たち自身に意識されることはなかなかありません。
それゆえ、一口に憲法改正といっても否定的に捉える国民はあまり多くはないでしょう。

ところが自民党の憲法改正案には、国民の権利を縛り、国家の権力を肥大させる要素が一部含まれています。

参院選の論戦において、表面上は争点になっている経済政策に気を取られてしまうと、その裏にある憲法改正の意図が隠れてしまいます。

今回の参議院選挙で改憲勢力(自民、公明、おおさか維新等)に投票するということは、将来の憲法改正のリスクに一票を投じるのと同じです。
もしあなたがそのリスクを心配するならば、改憲勢力ではなく、たとえ支持政党がなくても、とりあえず護憲勢力(民進党など)に一票を投じるのが無難ではないでしょうか。

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