舛添都知事の辞任は知事だけの責任ではなかった!?

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 舛添要一(元東京都知事)氏は、2016年6月21日に任期を1年8ヶ月残し、辞任しました。舛添氏だけの責任で辞任に追い込まれたように見えますが、実際はそうではなかったのです。

 舛添氏は、公用車での別荘通いや多額の海外出張費、政治資金の私的流用などさまざまな問題で辞職に追い込まれましたが、週刊誌が報じる前に、東京都の担当者や都議員、会計責任者は舛添氏の不適切な行動に気づかなかったのでしょうか。

 今回は、特に問題視されていた海外出張費と領収書問題について掘り下げていきます。

~多額の海外出張費~

 まず、海外出張費が高すぎると批判が相次ぎましたが、石原都知事の時代と猪瀬都知事の時代の海外出張費を舛添都知事の時代と比較すると決して舛添都知事の時代だけが突出して高いわけではなかったのです。

・石原都知事時代           ・猪瀬都知事時代
行き先:ベルリン及びポーランド      行き先:ローザンヌ(スイス)
日程:11日間(平成21年8月13日~24日)  日程:5日間(平成25年7月1日~5日)
出張人数:12名              出張人数:9名
総経費:約4800万円            総経費:約2550万円

・舛添都知事時代
行き先:ロンドン・パリ
日数:7日間(平成27年10月27日~11月2日)
出張人数:20名
総経費:約5000万円

 各都知事時代の一日一人当たりの海外出張費は、石原都知事時代が約36万円、猪瀬都知事時代が約57万円、舛添都知事時代が約36万円となっていて決して舛添都知事の時期だけが高いわけではなかったのです。
しかも、8月には舛添氏をあれだけ追及していた都議たちが約6200万円の予算でリオ出張を予定しています。
おかしいとは思いませんか?
 舛添氏だけが追及され、辞任にまで追い込むのはおかしくないでしょうか。

 舛添氏が正しかったというわけではありませんが。

 都民からは、「税金の使い道としては到底納得できない」、「疑惑の念を拭えず、説明責任を果たしたとは言えない」、「都議会でしっかり追及してもらいたい」といった多くの舛添氏を批判する声が集まりましたが、舛添氏を追及しなければならない都の議員も舛添氏と同じように多額の政治資金を費やし海外出張にいっています。

 世間一般の認識に比べ多額な海外出張費になっているのは、都知事だけの問題ではなく、都庁そのものの問題なのかもしれません。

~領収書問題~

 次に、コミック書籍や美術品、家族での食事などの領収書問題も話題になっていましたが、
これに対し舛添氏は、「会計責任者に全て任せていた。政治資金と個人のお金、両方の領収書を処理してもらっていた」とした上で、私的な費用を政治資金として処理したのは「責任者に勘違いがあった。人間なのでミスはある。だから責める気はない」と話しています。
 会計責任者は、「私なりには、適切に処理したつもりだった」などと話しています。
 会計責任者も気づかなければいけなかったのではないでしょうか。

 さらに、公私混同の会計処理が「違法」ではなく「不適切」という政治資金規制法のザル法ぶりと、政治資金規制法の改正なしに、公私混同問題は何も根本的解決にはつながらないのではないでしょうか。

 したがって、都知事が変わっても再び同じ問題が起きてしまうのではないかという捉え方もできてしまいます。

 そもそも、二年前の都知事選の際、舛添氏が立ち上げた政党「新党改革」の借入金2億5000万円の一部の返済に立法事務費と政党助成金が使用された問題がありました。立法事務費というのは、「国会議員の立法に関する調査研究の推進に資するため必要な経費」としており、借金の返済に充てることは目的外使用とされています。政党助成金も同様で借金の返済に使うことは政党助成法で禁じられています。

 当時、このような問題があったにも関わらず、舛添氏に票を入れたのは都民です。

 税金を無駄遣いされても無理ないのではないでしょうか。

~まとめ~

 舛添氏は、公用車の私的利用、不正領収書、多額の海外出張費、政治資金流用などさまざまな問題を起こし辞任に追い込まれました。
 もちろん舛添氏は都民の期待を裏切るような行動・発言をし、極めて悪質だったと思います。

 しかし、舛添氏だけが責任を負うのも違うのではないでしょうか。過去の都知事も多額の海外出張費で出張に行っていたわけですし、多額の海外出張費で出張を予定している都議員だっています。
 舛添氏を都知事から辞任させる以前に、政治資金規正法の改正や、都議員の見直しを実施したほうがいいのではないでしょうか。

 先日当選した、新小池都知事には同じような問題を繰り返さず、都庁そのものの本質を見直し、都民の期待を裏切らないでほしいですね。

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